勘定科目

長期前払費用

勘定科目 分類 詳細 計上される時期
貸借対照表 資産/借方 固定資産>投資その他の資産 決算時の調整のための特殊な科目のため、翌期に再び費用の科目に振り替え
法人税 長期前払費用は資産に計上し、期間の経過に応じて損金の額に算入されます。
消費税 課税対象外です。

長期前払費用とは、『前払費用』のうち1年を超えてから役務の提供を受ける未経過分の金額を計上する経過勘定の科目です。家賃や地代、リース料などの継続的なサービスの提供を前払する費用のうち、長期前払費用と1年以内の前払費用は、1年基準(ワン・イヤー・ルール)によって区分されます。

  1. ・決算日の翌日から1年以内に費用となるものは「流動資産」の部の『前払費用』に、1年を超えて費用となるものは「固定資産」の部の『長期前払費用』として表示されます。
  2. ・決算時、『長期前払費用』は1年基準に従い当期分は費用、そして翌期分は『前払費用』に振り替えます。
  3. ・割賦手数料は『長期前払費用』に計上し、割賦期間に応じて費用に処理します。

 

 

長期前払費用の会計法と税法の違い

税法による「繰延資産」の中にも『長期前払費用』として処理されるものがあります。
公共施設や共同施設の負担金、資産を賃借するための権利金・立退料、ノウハウの頭金、同業者団体等の加入金などは、税法独自の「繰延資産」に該当します。
税法独自の繰延資産は、会社法上の繰延資産と異なるため、便宜的に『長期前払費用』に計上して償却処理します。
税法独自の繰延資産で20万円未満のものや、国・地方公共団体、商店街などの行う街路の簡易保蔵、該当など簡易な施設で一般公衆のために支出した負担金は、全額必要経費にできます。
これは、貸借対照表上に表示される「繰延資産」が会計法法と税法では異なるため、内容が異なるため注意が必要です。
 

 

長期前払費用の摘要(取引例)

長期前払費用に該当する取引には以下のような摘要があります。

長期前払費用-ちょうきまえばらいひよう- 広告料の長期前払い-こうこくりょうのちょうきまえばらい-
家賃の長期前払い-やちんのちょうきまえばらい- 地代の長期前払い-ちだいのちょうきまえばらい-
保険料の長期前払い-ほけんりょうのちょうきまえばらい- リース料の長期前払い-りーすりょうのちょうきまえばらい-
建物賃借の立退料-たてものちんしゃくのたちのきりょう- 建物賃借の権利金-たてものちんしゃくのけんりきん-
公共的施設負担金-こうきょうてきしせつふたんきん- 共同的施設負担金-きょうどうてきしせつふたんきん-
道路建設負担金-どうろけんせつふたんきん- アーケード設置負担金-あーけーどせっちふたんきん-
ノウハウの頭金-のうはうのあたまきん- 同業者団体加入金-どうぎょうしゃだんたいかにゅうきん-
広告宣伝用資産贈与費用-こうこくせんでんようしさんぞうよひよう- 上下水道建設負担金-じょうげすいどうけんせつふたんきん-

 

 

 

 

長期前払費用の仕訳例

【家賃の前払】営業事務所の賃貸料5年分5,000,000円を小切手を振り出して一括で支払った

借方 金額 貸方 金額
長期前払費用 5,000,000 当座預金 5,000,000

 

決算につき、長期前払費用として計上していた事務所家賃を当期分の金額1,000,000円と翌期分の金額1,000,000円を前払費用に振り替えた

借方 金額 貸方 金額
地代家賃 1,000,000 長期前払費用 2,000,000
前払費用 1,000,000

1年基準に従い、当期分は費用、そして翌期分は『前払費用』に振り替えます。
 

 

【保険料の前払】3年分の労働保険料3,000,000円を小切手を振り出して一括で支払った

借方 金額 貸方 金額
長期前払費用 3,000,000 当座預金 3,000,000

 

決算につき、長期前払費用として計上していた労働保険の当期分の金額1,000,000円と翌期分の金額1,000,000円を振替処理した

借方 金額 貸方 金額
保険料 1,000,000 長期前払費用 2,000,000
前払費用 1,000,000

 

 

【割賦の前払】機械装置1,000,000円を5年の分割払いで購入し、割賦手数料100,000円と併せて長期の手形を組んで支払った

借方 金額 貸方 金額
機械装置 1,000,000 営業外支払手形 1,100,000
長期前払費用 100,000

割賦手数料は『長期前払費用』に計上して、その割賦期間に応じて費用に振り替えます。
 

 

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