勘定科目

有価証券評価益

勘定科目 分類 詳細 計上される時期
損益計算書 収益 営業外収益 売買目的有価証券を時価評価した時
法人税 益金の額に算入されます。
消費税 消費税法上、資産の譲渡等に該当しないため課税対象外です。

有価証券評価益とは、決算時、会社が保有している市場性を持つ『有価証券』の時価と帳簿価額の差額が、帳簿価額よりも上回る場合の金額を計上する勘定科目です。
売買目的で一時的に保有している市場性を持った有価証券は、貸借対照表の「流動資産」に表示される『有価証券』です。この評価益は、損益計算書の「営業外収益」の内訳科目になります。
評価価額が帳簿価額を上回った場合は『有価証券評価益』、帳簿価額を下回った場合には、『有価証券評価損』となります。

なお、売買目的以外で長期保有する有価証券は、「固定資産」に『投資有価証券』として仕訳します。投資有価証券の売却益は「特別利益」の内訳科目に、『投資有価証券売却益』として計上します。

 

  1. ・『有価証券評価益』は貸方に計上します
  2. ・有価証券の期末時価には売買委託手数料は含めません。
  3. ・期末における売買目的有価証券の有価評価益は「洗替方式」によって評価益金額または損金額を算入します。

『有価証券評価益』は流動資産に表示される売買目的で保有する有価証券の評価益であり、固定資産に表示されている『投資有価証券』のうち、その他の有価証券(売買目的有価証券、満期保有目的の債権、子会社株式、関連会社株式以外の有価証券)については『その他有価証券評価差額金』をご覧ください。
 

有価証券の時価

決算時、売買目的以外の時価のある有価証券の時価が著しく下落し、回復の見込みがあると認められる場合を除き、時価への評価替えを行う必要があります。(強制評価減
「時価の著しい下落」の判定は以下の通りです。なお、回復の見込みについては、会社が回復の見込みがあると証明した場合は認められません。

  • おおむね時価が取得価額の50%以上下落した場合
  • 30%以上の下落については、その下落金額の合計が保有会社によって金額的に重要な影響を及ぼす場合
  • 30%未満の下落については、著しい下落には該当しません。

 

有価証券評価益の摘要(取引例)

有価証券評価益に該当する取引には以下のような摘要があります。

有価証券評価益-ゆうかしょうけんひょうかえき- 株式評価益-かぶしきひょうかえき-
投資信託受益証券評価益-とうししんたくじゅえきしょうけんひょうかえき- 売買目的有価証券評価益-ばいばいもくてきゆうかしょうけんひょうかえき-
有価証券売却益-ゆうかしょうけんばいきゃくえき-

 

 

 

有価証券評価益の仕訳例

決算につき、売買目的で保有している簿価4,000,000円の有価証券を時価評価した。時価は5,000,000円で1,000,000円の評価益を計上した。

借方 金額 貸方 金額
有価証券 1,000,000 有価証券評価益 1,000,000

期末における有価証券の時価には、売買委託手数料は含めません。
 

 

決算につき、売買目的で保有している簿価3,000,000円の有価証券を時価評価し、時価3,500,000円となっていることが分かった。

借方 金額 貸方 金額
有価証券 500,000 有価証券評価益 500,000

 

翌期首に上記の評価益の振り戻し処理を行った。

借方 金額 貸方 金額
有価証券評価益 500,000 有価証券 500,000

期末における売買目的有価証券の「有価評価損益」は「洗替方式」によって評価損益を益金の額または損金の額を算入します。
 

 

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