差入保証金とは？摘要・仕訳例【勘定科目】

勘定科目	分類	詳細	計上される時期
貸借対照表	資産/借方	固定資産>投資その他	不動産の賃貸借契約を締結した時

法人税	特になし
消費税	課税対象外

差入保証金とは、建物を賃借する際に支払う保証金・敷金、機械などをリースする際に支払う保証金、営業上の差入保証金などを資産として計上する勘定科目です。営業保証金や輸入保証金等の名称で呼ばれることもあり、基本的にいずれも契約期間が終了すると返却されます。

保証金とは契約や取引環境に基づき、債務者が債務不履行の担保として取引先に差し入れるものです。例えば、部屋を借りた債務者が家賃を滞納するなどの債務不履行になった場合に保証金で相殺します。

・『差入保証金』は回収過程にある債権ではないため、『貸倒引当金』の設定対象外です。
・事業用に建物を賃借する際に支払う保証金のうち、事務所の賃貸契約書などではそのうちの20％は退却時に償却するといったケースがあります。このように控除する金額が明確に規定されている権利金などの20％部分は『長期前払費用』として計上します。
・事務所などの賃貸契約の場合、退去時に原状回復費として、敷金からその費用が差し引かれることがあります。その場合は『修繕費』として計上します。

差入保証金の摘要（取引例）

差入保証金に該当する取引には以下のような摘要があります。

差入保証金支払-さしいれほしょうきんしはらい-	取引保証金支払-とりひきほしょうきんしはらい
営業保証金支払-えいぎょうほしょうきんしはらい-	架設保証金支払-かせつほしょうきんしはらい-
入札保証金支払-にゅうさつほしょうきんしはらい-	借受契約保証金支払-かりうけけいやくほしょうきんしはらい-
代理店契約保証金支払-だいりてんけいやくほしょうきんしはらい-	輸入保証金支払-ゆにゅうほしょうきんしはらい-
分割返済保証金支払-ぶんかつへんさいほしょうきんしはらい-	債務履行保証金支払-さいむりこうほしょうきんしはらい-
敷金支払-しききんしはらい-	借家権利金支払-しゃくやけんりきんしはらい-
借室権利金支払-しゃくしつけんりきんしはらい-	ビル借室保証金支払-びるしゃくしつほしょうきんしはらい-

借方	金額	貸方	金額
差入保証金	400,000	当座預金	400,000

借方	金額	貸方	金額
現金	400,000	差入保証金	400,000

営業保証金を『差入保証金』として計上し、保証金が変換されたら現金と振り替えます。

借方	金額	貸方	金額
差入保証金	900,000	現金	1,000,000
長期前払費用	100,000

契約が終了した場合に返還されない金額は『差入保証金』には該当しないため、税法上では「繰延資産」、会計上では『長期前払費用』に計上します。

借方	金額	貸方	金額
現金	1,800,000	差入保証金	2,000,000
修繕費	200,000

原状回復費として差し引かれた分は『修繕費』として処理します。

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