ビジネスモデル

MTO

MTOとは、「Make To Order:受注生産」の略称で、顧客から受注を受けた後に製造を行うビジネスモデルです。その代表例は、自動車や電子機器のメーカーが販売する製品の部品を開発・製造するサプライヤー企業です。トヨタ自動車の場合、サプライヤー企業はアイシン精機やデンソーを筆頭に、国内のみで219社あります。(2020年時点)
サプライヤー企業はメーカーからの注文を受けて、部品の開発から製造までを請け負うため、在庫リスクを持たないというメリットがあります。
マスカスタマイゼーションとの違いは、大規模な受注スケールによるコスト面での競争優位というよりも、特注品ながらも納期を短縮したり、低価格で高い意匠性を提供したりする独自の仕組み作りを価値とする点です。
受注してから製品を通来るビジネスモデルには、コンピューターメーカーのDellに代表されるBTO(Build To Order)がありますが、この記事では、組み立てだけではなく製品の加工も自社で行うMTO(Make To Order)を解説します。
MTOの特徴は以下の通りです。

  1. 受注後に製造を開始するため、コストの見通しを想定しやすい
  2. 特注品製造の効率化のために工場の立地や物流網の整備が重要になる
  3. 自社とサプライヤー企業との製造範囲の取り決めによって利益が左右される

 

 

MTOのメリット

余分な在庫が生まれない

受注生産では基本的に受注を受けて製品を生産し始めることから在庫を抱える必要がないため、在庫の保管や管理に必要な費用や売れ残りのリスクが少なく、生産した分だけ売上を発生させることができるというメリットがあります。また、無駄な生産や廃棄がなければ資源が保全されるため、環境への負担も少ないといったメリットもあります。
 

 

オリジナリティがある製品を作れる

顧客の要望を受けて製品にオリジナリティを加えることができることも受注生産のメリットの一つです。また、一つ一つの製品の生産を丁寧に行うことで、製品のさらなるクオリティ向上や顧客満足度を向上させることができます。
 

 

余分な生産をする必要がない

MTOでは基本的に受注を受け取ってから製品を生産し始めるため、余分に製品や部品を生産する必要がありません。そのため、上述しているような、在庫の保管や管理に関わる費用などの見通しも簡単なため、自社の棚卸資産の管理や財務の把握も容易となります。
 

 

MTOのデメリット

取引先の業績変化の影響を受けやすい

MTOでは、生産規模が取引先の業績変化の影響を大きく受けます。そのため、収益の持続性を保つための戦略的なパートナー選びが必要となります。また、受注生産は後発企業が低コストで参入することが可能なため、特許の取得など、自社の競争優位性の獲得が重要になります。

 

 

リードタイムが長くなってしまう

受注生産においては、注文を受注してから生産準備を行うため、生産開始から納品するまでの時間、つまり「リードタイム」が長くなってしまうというデメリットがあります。そのため、市場の需要に早急に対応することができず、販売のタイミングを逃してしまうリスクがあります。また、顧客側の希望する納期が短いと生産が間に合わない可能性もあるため、顧客の満足度が低下するリスクもあります。
さらに、生産過程においては、顧客から様々な要望を受けることが想定されるため、デザインや原材料などの変更が必要な場合は追加のコストが必要になるデメリットもあります。

 

 

MTOの成功条件

自社に製品の開発・製造能力があること

メイク・トゥー・オーダーを成功させるためには、自社が取引先のニーズを満たす製品の開発・製造能力を持っていることが大前提となります。すべての施設や設備を自社で保有していない場合でも、提携できる製造パートナーを確保しておくことが重要です。そのうえで、いかにして個々の取引先のニーズに低コスト生産で応える仕組みを構築するかが成功の鍵となります。
 

 

営業と製造、物流の各部門の連携が十分にできること

受注生産の難しさは原価と売価のバランスです。これから世に出る製品の一部を生産する際は、取引先の業績変化による受注額の変動や、開発・製造途中での仕様変更が起こり得ます。取引先の要求をすべて引き受けてしまうと、自社の収益が圧迫されます。このようなリスクを回避するためには、営業・開発・製造部門の連携を円滑に行う組織構造を構築する必要があります。
 

 

圧倒的な競争優位性を持っていること

後発企業の参入を阻む障壁を持つための「選択と集中」や「規模の経済性」が自社の持続的成長の条件となります。例えば、中国のFoxconn社は、1970年代後半から資本を日本企業の金型製造機購入に投資して自社資源の基盤を築き、1990年代のコンピューター市場規模拡大に乗って急成長しました。自社が集中すべき事業を決めて、オペレーション能力を高めることで大規模生産への対応にも備えることができるかが鍵となります。
 

 

 

MTOの事例

ミスミ

ミスミは工場機械の部品や、自動車、電子機器部品の金型用部品などのFA(Factory Automation)関連部品を製造する日本企業です。台湾や中国の部品メーカーが台頭するなかで、ミスミが高い競争優位性を保ち続けている理由は「圧倒的な納期の短さ」です。金型部品の受注生産は通常、注文を受けてから1週間単位の期間を要します。ミスミはこの納期短縮を行うために「半製品からの受注生産」という独自の仕組みを構築しました。納期は平均で受注から2日以内と業界では類を見ない速さです。半製品とは、海外の工場で半分だけ完成させた大量ロット生産の部品です。それを取引先企業がある自社拠点に送り、注文通りに加工をして完成品に仕上げます。注文はミクロン単位でサイズ指定が可能で、この精度の高さもミスミの競争力の一つです。半製品から完成品を作ることで在庫を最小限に抑えて、コストカットと納期短縮の両方を実現しています。
もう一つの競争優位性は、営業・製造・物流の連携です。ミスミの生産拠点は日本、ベトナム、チェコなど世界23拠点、営業拠点はアジア、ヨーロッパ、北米に64拠点、配送センターは世界17拠点あり、三者間の連携がグローバル規模での納期短縮を実現しています。
 

 

オリバー

オリバーは、空港などでの公共施設や医療施設、ホテルなどに特注の家具を納品しているメーカーです。オリバーは、取引先の要望を聞いてからデザインや生産を行う「コントラクト」と呼ばれる業務用分野の受注生産スタイルを得意としています。空港や博物館などの公共施設に設置する家具には、耐久性や使い勝手といった機能と同様に、その施設らしいオリジナルのデザインが求められます。また、既製品には建物のスケールにぴったり合うものはなかなかありません。建物の良さを引き立てる意匠性も必要になるため、家具はメイク・トゥー・オーダーに向いている製品です。
オリバーは事前打ち合わせを重ねたうえで、取引先が求める形や色、意匠を反映したデザインとサンプルを作成し、品質を確認してから大量ロットの製造を行います。さらに、インテリアの提案や施工も行っています。
 

 

MTO(受注生産)に向いている業種

MTOは、生産量が少ない製品や製造原価が高いことから在庫を持つことが難しい製品、そして多くのカスタマイズを必要とする製品に相性がいいビジネスモデルです。
例えば、船舶業や注文住宅を承る建設業などは、基本的に受注生産方式でしか製品を生産することができません。また、家具や寝具など、オーダーメイドに対応しているインテリア業界や工作機械メーカー、金型メーカーなどもMTOによる受注生産と非常に相性がいい業種と言えます。

 

 

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