勘定科目

特許権

勘定科目 分類 詳細 計上される時期
貸借対照表 資産/借方 固定資産 特許権を取得した時
法人税 特許権は定額法により減価償却されます。
消費税 原則として課税仕入ですが、特許申請時に支払う特許料、登録免許税は課税対象外です。

特許権とは、新発明、発見による新製品や新製法を一定期間独占的・排他的に利用できる、特許法によって得た権利(特許権)で、その特許権を他社から購入した場合の費用を計上する勘定科目です。購入価額だけでなく特許権や実用新案権の購入に伴う付随費用も含めた取得価額を計上します。

特許権は、自然法則を利用した高度な技術的思想による新発明や新発見の権利で、実用新案権は、物品の形状・構造・組み合わせに関わる考察を保護する権利でいずれも知的財産権となります。

特許権は「工業所有権」の一部で、他の類似した「工業所有権」に「実用新案権」、「意匠権」、「商標権」があります。

  1. ・他社から特許権や実用新案新案権を取得した際の取得価額には、出願料や登録費用などの付随費用も含めて計上します。
  2. ・自社の研究開発で取得した特許権や実用新案権はこの科目ではなく『研究開発費』に計上します。研究開発費は、発生時にすべて費用として処理します。自社発明の場合は、出願料や登録費用などの付随費用が特許権の取得原価となりますが、付随費用を費用として処理することも可能です。

 

 

特許権の耐用年数

特許権の耐用年数は税法上で8年と定められており、実務上は8年で「定額法」により『減価償却費』が算出されます。ただし、特許権の法的な有効期間は15年となっています。
その他の工業所有権の耐用年数では「実用新案権」が5年「意匠権」が7年「商標権」が10年と、税法で定められています。なお、償却方法は『特許権』と同じく「定額法」です。
 

 

特許権の摘要(取引例)

特許権に該当する取引には以下のような摘要があります。

特許権-とっきょけん- 特許権購入-とっきょけんこうにゅう-
実用新案権-じつようしんあんけん- 実用新案権購入-じつようしんあんけんこうにゅう-
特許出願料-とっきょしゅつがんりょう- 特許登録費用-とっきょとうろくひよう-
実用新案登録費用-じつようしんあんとうろくひよう- 特許料-とっきょりょう-
買収による取得-ばいしゅうによるしゅとく- 合弁による取得-ごうべんによるしゅとく-
無形固定資産-むけいこていしさん- 有償譲り受けによる取得-ゆうしょうゆずりうけによるしゅとく-
研究開発費より振替-けんきゅうかいはつひよりふりかえ-

 

 

特許権の仕訳例

【取得時】他社から特許権2,000,000円を購入して、代金は小切手で支払った。なお、特許権の登録費用300,000円は現金で支払った

借方 金額 貸方 金額
特許権 2,300,000 当座預金 2,000,000
現金 300,000

取得にかかった付随費用も含めて『特許権』として処理します。
 

 

【売却時】特許権3,000,000円を他社に7,000,000円で売却し、代金は小切手で受け取った

借方 金額 貸方 金額
当座預金 7,000,000 特許権 3,000,000
固定資産売却益 4,000,000

特許権や実用新案権を売却した際に出た差額は、益金ならば『固定資産売却益』、損金ならば『固定資産売却損』として処理します。
 

 

【特許権の償却】決算につき、特許権4,000,000円を8年で定額法により償却した

借方 金額 貸方 金額
特許権償却 500,000 特許権 500,000

『特許権』の耐用年数は8年のため、「定額法」により減価償却します。
 

【実用新案権の償却】決算につき、実用新案権4,000,000円を5年で定額法により償却した

借方 金額 貸方 金額
実用新案権償却 800,000 実用新案権 800,000

「実用新案権」の耐用年数は5年となっており、『特許権』と同じく「定額法」で減価償却します。
 

 

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