勘定科目

資本剰余金

勘定科目 分類 詳細 計上される時期
損益計算書 純資産 株主資本 資本準備金として積み立てた時
法人税 資本剰余金の額は、税務上の「資本金等の額」を構成しています。資本金等の額は『寄付金』の損益算入限度額、住民税均等割、事業税の外形標準課税などの計算に影響します。
消費税 課税対象外。

資本剰余金とは、会社法によって、会社設立時や増資した際に出資者から拠出された資金のうち、『資本金』としなかった金額や「自己株式」の処分などで生じた金額を、法定準備金として積立を要する資本剰余金の金額を計上する勘定科目です。

剰余金は『資本剰余金』と『利益剰余金』に大別され、『資本剰余金』はさらに、法定の「資本準備金」と「その他資本剰余金」に分類されます。
資本準備金は資本金への組み入れ、欠損の補填、その他資本剰余金への振替に使用できます。

  • ・資本準備金は資本金に準じる性質を持つもので、会社設立や株式発行を行う場合は、株主が払い込み・給付した金額のうち、2分の1を超えない金額を『資本金』に組み入れない場合は、「資本準備金」として計上します。
  • ・剰余金を配当する場合は、配当によって減少する剰余金の学に10分の1を掛けた金額を「資本準備金」または「利益準備金」として計上しなければなりません。
  • ・いわゆる金庫株の取得財源として、法定準備金を用いることができます。なお、株主総会の決議による法定準備金の減少には、公告や催告による債務保護の手続きが必要なため注意が必要です。

 

 

資本準備金とその他資本剰余金

剰余金は『資本剰余金』と『利益剰余金』に大別されます。資本剰余金は、さらに法定の「資本準備金」と「その他資本剰余金」に分類されます。
「資本準備金」は会社法445条の規定によって積立を必要とするもので、増資などの際に払い込まれた資金のうち『資本金』に組み入れなかった金額企業再編に伴って生じる差額などが該当します。
「その他資本剰余金」は資本準備金以外の資本剰余金を指すもので、資本金の減資差益や自己株式処分の差益などが該当します。
 

 

資本剰余金の摘要(取引例)

資本剰余金-しほんじょうよきん- 利益剰余金-しほんじゅんびきん-
会社設立-かいしゃせつりつ- 欠損金補填-けっそんきんほてん-
株式発行差金-かぶしきはっこうさきん- 資本金組入-しほんきんくみいれ-
法定準備金-ほうていじゅんびきん- 減資による積立-げんしによるつみたて-
自己株式処分-じこかぶしきしょぶん- 剰余金の配当による積立
企業再興による積立-きぎょうさいこうによるつみたて- 新株発行-しんかぶはっこう-

 

 

 

資本剰余金の仕訳例

株主総会の決議において、資本準備金3,000,000円を資本金に組み入れることが決定した

借方 金額 貸方 金額
資本準備金 3,000,000 資本金 3,000,000

 

 

会社の設立にあたり、設立登記が完了したので発起人から普通預金2,000,000円の引き渡しを受け、その内の2分の1を資本金とした

借方 金額 貸方 金額
普通預金 2,000,000 資本金 1,000,000
資本準備金 1,000,000

払い込み、あるいは給付された金額の2分の1を超えない額を「資本準備金」とすることができます。
 

 

株主総会において、債権者保護の手続きを経て、資本金準備金5,000,000円を取崩した

借方 金額 貸方 金額
資本準備金 5,000,000 その他資本剰余金 5,000,000

会社法においては、法的手続きを完了することで「利益準備金」を取崩すことができ、その際に「その他利益剰余金」に計上します
 

 

6,500,000円の欠損補填のため7,000,000円を減資した

借方 金額 貸方 金額
資本金 7,000,000 欠損金 6,500,000
その他資本剰余金 500,000

 

 

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