O2Oとは、「オンライン・トゥ・オフライン」の略で、その名の通りインターネットを介して消費者に何らかのアプローチを行って、リアルの店舗へ足を運ばせるビジネスモデルです。
O2Oの例として分かりやすいのはクーポンサイトで、レストランやホテルなどがクーポンサイトで期間限定のクーポンの購入者を募集して、店が決めた規定人数が購入を希望した場合にそのクーポンが発行される、という仕組みです。
人数の条件を自由に向けられ、条件に合わなければ成立しないため、現実の店舗はリスクを取らずにクーポンサービスを提供できます。また、クーポンサイトという場で既存顧客とはまた別の消費者にリーチさせることができます。一方、消費者側は非常にリーズナブルに楽しみながらサービスが利用できるというわけです。
こうしてオンラインからオフラインへを、店側、利用者側両方のニーズをマッチングして満たすことで実現し、運営側はマージンを得ています。
昔はどのように客を実店舗に来店させて商品を購入させるかが重要であり、そのために新聞や雑誌での広告やチラシ、テレビCMが利用されていましたが、2000年前後からはネット時代の到来によって、そうした媒体はニーズや効果が小さくなり、インターネット広告へシフトする企業が増加しています。他方で、顧客は実店舗へ実物を確認しには行っても、商品の情報や購入はネット上で行う「ショールーミング」という消費者行動が増えています。
そこで2010年前後から注目を浴びたのが、オンラインで情報を得た顧客が実店舗に来て店頭で商品を購入するような動機付けをするO2Oマーケティングです。実店舗はオンライン上でクーポンなどを配布し、顧客は実店舗でクーポンを提示することで安価で商品を購入できたり、定価よりお得な価格で食事などができたりします。このように、昔のオフラインでの販売と、近年のオンラインでの販売を合わせたアプローチがO2Oマーケティングで、GPSやSNSなどを生かした多くの事例があります。
近年では逆に、実店舗の来店客にネット通販サイトやオンラインサービスの利用を促す 「オフライン・トゥ・オンライン」 型の施策も行われるようになってきています。後で詳しく説明しますが、例えば、店頭の商品にQRコードなどを掲示してスマートフォンで商品の詳しい情報やECサイトの在庫を参照できるようにしたり、来店客がスマートフォンに公式アプリをインストールすると割引やキャッシュバックを提供するといった事例があります。
オムニチャネルとの違い
O2Oマーケティングに類似した戦略にオムニチャネルがあります。
どちらも実店舗とオンラインをあわせて活用するマーケティング手法ですが、その構造は少し違います。
オムニチャネルのオムニ(omni)とは「すべての」という意味であり、チャネルはマーケティング用語で企業やブランドが消費者に対してもつ「流入経路」、例えば、実店舗やECサイトがあります。
オムニチャネルでは、すべての流入経路が共通のデータをもっていて、どのチャネルからでも消費者が一貫性のある購買体験ができることが特徴として挙げられます。
O2Oは「誘導」、オムニチャネルは「囲い込み」
O2Oマーケティングは、オンラインからオフラインの実店舗へ誘導することを目的としており、効果的なターゲットは新規来店者です。特徴としては効果に即効性があることが挙げられます。
一方でオムニチャネルは、オンラインとオフラインの区別をつけずに、シームレスかつ便利な購入体験を提供することを目的としています。導入は難しいですが、顧客増と囲い込みによる売上増加が長期にわたって見込まれることが期待されます。両方ともメリット・デメリットがあるため、自社の商品やサービスの特性に合わせて、どちらが最適なのか判断することが重要です。
また、オムニチャネルを導入する際は導入の手間やコストを最小限に抑えるために、サポートサービスを利用するのも効果的です。
O2Oが浸透した背景
O2Oは比較的新しいビジネスモデルに見えますが、15年以上前によく使われていた、ネットと現実の店舗や流通チャネルを組み合わせる「クリック&モルタル」と同じです。では、今になってなぜ「O2O」と名を変え、ネットから現実への送客が注目されているのでしょうか?それは以下の理由があります。
スマートフォンの普及
スマートフォンの普及により、多くの人がどこにいても簡単にインターネットにつながるようになり、GPS機能を利用した位置情報などによって現実の店舗の近くにいる顧客に向けて最適な来店情報を提示、来店を促せるようになりました。
近年では、多くの人びとが年齢を問わずにスマートフォンやタブレットなどのポータブルデバイスを日常的に使用しており、これらのデバイスの浸透は、オンラインでの購入体験を促進させました。
スマートフォンなどで買い物することをMコマースと呼びますが、Eコマースの「いつでも・どこでも」買い物ができるメリットがより高まったのです。その高まりに合わせて、近年における小売業におけるECサイトの活用がさらに求められるようになっています。
SNSの人気化
O2Oマーケティングが注目されはじめた理由としては、スマートフォンの普及もありますが、InstagramやTwittermFacebookといったSNSでの口コミが人気を集めていることが理由のひとつです。
実店舗が独自でアカウントを作って宣伝するのはもちろんですが、近年の消費者の間では「同じユーザー側の意見を商品・サービス選びの参考にしたい」という心理が生まれてきているのです。
「同じユーザー側の意見」を知ることができるツールこそ、SNSであり、第三者からの客観的な意見を集めたメディアは強い拡散力ももっているので、より多くの潜在ユーザーに店舗を認識してもらうことができます。
実店舗の再注目
オムニチャネルを最初に実現させた企業の一つがアメリカの百貨店である「メイシーズ」です。「メイシーズ」はオムニチャネルの成功により業績を伸ばしましたが、ここ数年で実店舗での売り上げが伸び悩んでいました。
これはECサイトの活発化に反比例したことが理由であり、ECサイトの利便性の裏で実店舗の売上が減ってしまうという、オムニチャネル戦の落とし穴といえる出来事です。
オムニチャネルを全体的に成功させるには、ECサイトならECサイト、実店舗なら実店舗でそれぞれの強みを十分に活かさなくてはいけません。
近年、実店舗はECサイトにはない体験価値を提供できる場として、実店舗の存在意義が再確認されつつあり、そして、ネット通販を主軸に展開してきた企業が実店舗経営に乗り出すという場合もあります。
有名な企業の例としては、大手マーケットプレイス型ECモールのアメリカのAmazonです。
Amazonは無人コンビニとして話題になったAmazon Goのオープンや、食品スーパーである「ホールフーズ」の買収など、ここ数年実店舗分野に力を入れ、ネットとリアルの相乗効果を獲得しています。
O2Oでよく見られる7つの手法と事例
1. ECサイトの運営
O2Oマーケティングのためのアプローチの一つが企業のECサイトやホームページを構築することです。近年では、ネット通販が普及しショッピングをネット上で行うユーザーが非常に増えてきました。
そのため、製品を販売するを行う会社にとって、実店舗以外にECサイトというチャネルも持つことが求められていますが、注意したいのは、重要なのは実店舗とECサイトを統一することであり、一つのブランドが実店舗に加えてECサイトも運営し、一貫したユーザー体験を提供することが重要となってきます。
例えば、顧客情報は実店舗とECサイトで分けて管理するのではなく、一方でユーザー登録を済ませたユーザーはもう一方でもスムーズに買い物ができるよう、ユーザー情報を統合してユーザーのアクションをスムーズにします。このように、ユーザーの利便性を上げることで、実店舗ユーザーがECサイトも見てくれたり、ECサイトのユーザーが実店舗へ来店するという可能性が高まります。
また、実店舗とECサイトを両方持つことによって、相互補完的な役割も持たせることが可能であり、例えば、顧客が求めている商品が実店舗で在庫がなくなってしまった時は、ECサイト側に在庫があれば実店舗で予約購入してもらい、後日ECサイトから顧客に届けるといったことも可能です。
2. クーポンの配布
O2Oマーケティングで一番有名な手法といえば「クーポンの配布」でしょう。アプリやWebサイトで会員限定クーポンを配信し、顧客を店に誘導したり、リピートを狙うなど、会員限定クーポンによる顧客の囲い込み戦略が行えます。。モスバーガーも、普通のクーポンだけではなくおみくじクーポンなど、ひと工夫した楽しめるクーポン戦術を導入し、ファッション大手のユニクロは専用アプリでクーポンを付与し、アプリ利用者は店頭でクーポンを提示することで割引価格の商品を購入できる仕組みを構築しています。これらは、アプリというオンラインでのクーポンサービスが実店舗への誘導を行う推進力になっている事例です。
3. SNSによる情報発信
SNSを活用したO2Oマーケティングの成功事例も増えています。
Twitterを活用した成功例としては、マーケティング会社の共通ポイントサービスを採用したケンタッキーフライドチキンがあります。ケンタッキーフライドチキンの公式アカウントをフォローし、ハッシュタグを付けて条件内容をツイートするだけでポイントを付与したり、抽選で食べ放題をプレゼントしたりするなどの企画を実施した結果、キャンペーン期間中に新規客が増えたという成果がありました。またInstagramでも魅力的な写真を投稿することで多くの顧客を集めることに成功しています。Instagramに限ってはポイントもクーポンも何も配布する必要なく、おしゃれな写真だけでカフェや施設など幅広いジャンルの場所に顧客を誘導することが可能です。
4. アプリとの連携
企業の公式アプリを開発することも効果的です。スマートフォン用の店舗アプリから情報を配信し、来店を促す手法もO2Oマーケティングです。店舗アプリの場合は、まずユーザー登録をしてもらうことが非常に重要であり、来店を促す前に、まず最初にアプリのインストールとユーザー登録を行ってもらう必要があります。
そのためには初回の来店やサービスの提供時に、ユーザーの利便性を高めながら、十分な付加価値を提供することが求められます。
また、アプリをポイントカードとして活用すれば、店頭での購入の記録もECサイトの購入履歴と同じようにデータで管理できます。
さらに、メールマガジンよりもアプリのプッシュ通知のほうが、一般的に開封率が高いというデータも存在しており、顧客にとってもポイントカードを何枚も財布に入れておくより、スマートフォンひとつで済むアプリのほうが便利です。
スマートフォン用の店舗アプリから情報を配信し、来店を促す方法ことができます。
5. webで商品を取り寄せて、実店舗への誘導
例えば、オンライン書店と提携している実店舗の本屋は、Web上で在庫確認をおこない、注文者の最寄りの書店に本を取り置きすることで、顧客を書店に誘導する仕組みを構築しており、実店舗の書店に足を運んだ客は注文品を受け取るだけでなく、本棚を見て別の商品を購入する顧客により売り上げの獲得につながっています。また、会計時にオンライン書店のカードを提示すればポイントがつき、オンライン書店で電子書籍を購入するときやポイントが使用可能な実店舗で本を購入するときに使用できるため、顧客にとってもオンライン・オフラインともにメリットがあるというシステムを作っています。ファッション店舗でも同じシステムを用いている場合もあります。
6. 位置情報を活用
スマートフォンが内蔵するGPSを活用したO2Oマーケティングもあります。
フランチャイズチェーン展開をしているブランドが近隣店舗のセール情報をプッシュ通知で配信したりしますが、これは位置情報をもとにしたアプローチです。例えば、ユーザーが今いる場所にあわせて、近くにある店舗に関する情報配信を行うことで、近くに店舗があることを知らせ、ユーザーが店を探す手間を省き、利便性を高めることができます。
GPSによる位置情報を店舗検索に利用すると、まだユーザーが言ったことのない店舗を見つけてもらうことも可能です。
その他にも、お店に来店するだけでポイントが付与されるシステムを活用し、広告費用をかけずに顧客に自発的な来店を促す事例もあります。
7. QRコードを活用
飲食店のテーブルや小売店のレジ横の案内で、「InstgramやTwitterのアカウントをフォローしてください」といったテキストと一緒にQRコードがあるのを見たことはあると思いますが、これもO2Oマーケティングのひとつです。
こうして来店客にQRコードを読み込み企業のアカウントをフォローしてもらえれば、企業の情報や宣伝用の写真のようにメッセージを使って新商品の案内やクーポンの配信が送られてきます。新規顧客獲得から一歩踏み込み、再来店を目指すO2Oマーケティングと言えるでしょう。
O2Oのメリット
新規顧客の獲得が期待できる
O2Oマーケティングの一番のアドバンテージは新規顧客の獲得がしやすいという点です。
実店舗がオフラインで行える広告や宣伝には、物理的な面で多くの制約がありますが、オンライン上であればより広範囲の消費者に実店舗の存在をアピールできます。
また、たとえば街頭の看板広告や雑誌での広告掲載などのオフラインの媒体に広告を掲載するには費用がかかりますが、オンラインのほうがコストを抑えながら、さらに宣伝の幅が広いというメリットがあります。
顧客のニーズに合わせて展開できる
オンライン上でおこなうマーケティングを「デジタルマーケティング」と呼びますが、これはオフラインに比べより顧客ひとりひとりに合わせたアプローチを行いやすいという性質を持っています。
これは、サイトへのアクセス数や、各検索エンジン・SNSに蓄積されたデータを活用できるためであり、つまり、商品やサービスにより関心を抱いてくれそうな層に効果的にアプローチできるということであり、実店舗での販売のためにオンラインを利用することには、こうしたメリットもあります。
効果に即効性がある
O2Oマーケティングは即効性が期待できます。これは、インターネットを活用すれば、リアルタイムで顧客へアプローチできるためです。例えば、オンラインでメールマガジンやSNSを経由して実店舗で使用できるクーポンを発行する場合では、使用期限などを設ければその期間内に売上が増える可能性があります。クーポンを発行してからの効果に即効性があるため、様々なアプローチを行いやすく、また、素早くPDCAを回せるというメリットがあります。
効果測定がしやすい
O2Oの特徴として、マーケティング施策の効果測定がしやすいことが挙げられる。
オンラインマーケティングの多くは、その効果を測定するのに、比較的難しい作業が必要になる。アクセス解析のコンバージョン設定はWebアナリストにとってたいしたことではない作業だが、Web専門のスタッフを雇う余裕がなく自分でウェブもまとめて見るしかないITやウェブに詳しくない店舗オーナーにとっては「難しい」「よくわからない」設定だ。
それに対してO2Oでは実店舗に客が持ってきたクーポンの枚数を数えればいいので、ITに詳しくない店舗オーナーでもその効果を実感・把握しやすいという利点がある。
O2Oのデメリット
客単価を上げることができない
O2Oマーケティングのデメリットは、客単価アップが難しいことが挙げられ、オンラインでの集客や新規顧客を作る効果はありますが、客単価を上げるにはまた別のアプローチが必要です。
客単価を上げるアプローチと組み合わせることで、さらに企業の売上を上げることができ、客単価アップで簡単に出来る方法としては、一度に購入する量を増やしてもらう方法が有効です。
他に客単価の上昇につながる効果的なアプローチには値上げをすることが挙げられます。
製品の値上げをすると顧客からの反発をイメージするかもしれませんが、実は顧客の反発なく商品の価格を上げることはでき、製品の価格を上げることで、客単価20倍を実現した例もあります。
同業他社と比較される
オンラインを活用するからこそ同業他社と比較される機会が増える点もO2Oのデメリットの一つでしょう。
O2Oは新規顧客を獲得しやすいと上述しましたが、しかし、他のお店と簡単に比較できることで、顧客が流出する危険性もあります。だからこそ、O2Oではオンラインからオフラインへの誘導を保ちつつ「自社に顧客を留める」工夫をすることが重要です。
あるいは、お得なポイント制度を導入するなど、他社では行っていない自社ならではの付加価値を提供することが必要です。
リピーターやファンの育成に不向き
O2Oのメリットとして、新規顧客の獲得がしやすいという点を挙げましたが、一方で、リピーターやファンの育成には向いてないと言われています。。
例えば、O2Oマーケティングの代表例である「クーポンの配布」は、配布時にのみ顧客は店舗に訪れますが、その後は継続的に来店する可能性は低い傾向にあるからです。そのためには常にクーポンを配布するなどの仕組みを構築する必要があります。
O2Oマーケティング成功のコツ
O2Oマーケティングは新規の顧客を獲得することに効率的な性質を持つ手法ですが、多くの成功している企業が実践しているのは、「短期的施策」と「長期的施策」を組み合わせるという手法です。つまり、新規顧客の獲得だけでなくリピート顧客獲得の促進も並行して行うということです。
企業の売上の大部分はリピート顧客から発生するとされているため、新規顧客獲得ばかり行っていても投下した時間・労力に見合う反応は得られません。反対に、上質なビジネスを行っていても顧客は一定の割合で減っていくため、リピート施策ばかり行っていては売上が低下してゆきます。
そのため、「短期的施策」である新規顧客獲得と「長期的施策」であるリピート促進を併用していくスタンスが、O2Oで成功するための重要なカギと言えます。
また、マーケティングももちろん重要ですが、O2Oを成功させる一番のコツは、 PDCAサイクルを回して継続的に改善を図ることが重要であり、オムニチャネルの戦略は複数のチャネルを統合してブランドを構築するので、全容を把握して管理しきれるようになるまでに時間がかかるのが一般的とされています。
これが最適だといえる段階まで到達するまで、PDCAサイクルを回し、効果測定と改善アクションを繰り返して継続的に改良を加えていく必要があるのです。
なぜならオンラインの弱点は、顧客と直接対面できないことからユーザーの顔が直接見えないことであるため、効果測定を行えるシステムの導入を検討することが必要となります。
O2Oを実践している企業例
SNSという臨場感の高いWebメディアは、プロモーションキャンペーンの現場の熱気を伝えるにはとても適しています。
特に、以下の要素を満たすInstagram(インスタグラム)と、O2Oキャンペーンの相性は非常に素晴らしいものがあります。
InstgramはO2Oを実行している企業とは言えませんが、Instgramに登録しているお店などは、位置情報や綺麗な写真などでオンラインからオフラインへの集客を成功させています。
また、文章を書かなくても、画像の投稿のみでコミュニケーションが成立する、あるいはハッシュタグでつながる文化があるなどの理由でよりマーケティングを簡単にしています。
つまり、その場で画像を撮り、キャンペーン参加の意志を示すハッシュタグさえ付けさえすればOKという「参加ハードルの低さ」がInstagramキャンペーンの特徴なのです。
UNIQLO
ファストファッション大手のUNIQLOもまたアプリ・ECサイト・実店舗と複数のチャネルをもっていますが、一貫して「UNIQLO」というブランドを消費者に印象付けることに成功しています。
UNIQLOでは、スマートフォンのアプリで、店頭で提示することでモバイル会員限定価格で商品が購入できるクーポンを提供していたり、また、同アプリ内で店舗検索ができる機能や、オンラインカタログを公開するなど、効率的にアプリ(オンライン)から実店舗(オフライン)へ顧客を誘導しています。
また、商品バーコードをアプリでスキャンすると、ECの在庫状況やカスタマーレビュー、スタイリング例などを見ることができます。
マクドナルド
マクドナルドもO2Oマーケティングを積極的に活用しており、高い費用対効果を得ることに成功している企業です。
ファストフードチェーンに限らず、O2O施策でよく見られるのが「割引クーポン」の発行によるマーケティングであり、同社も無料のクーポンや割引クーポンを常時発行しており、アプリをダウンロードしている顧客にアプローチしています。また、SNSなどで期間限定商品を全面的に押し出すことによって希少性を持たせながらオフラインへと誘導をしています。
ショールーミングへの対抗
O2Oが注目されるもう一つの背景に「ショールーミング」と呼ばれる消費者行動が増えています。「ショールーミング」とは、現実の店舗は現物の商品を確認する場として使い、実際のショッピングではネット上の最安値の商品を扱っているお店で購入するという行動です。この流れが活発化し、現実の店舗を運営する企業は、なんとかして顧客にお店まで足を運んでもらう必要性が出てきたのです。
O2Oで「ショールーミング」に対抗するためには、現実の店舗で付加価値の高いサービスや商品を提示する必要があります。例えば、O2Oで得られる顧客の嗜好性データと結びつけ「その人の好みに合った商品の明確な提案」や「嗜好に沿った接客サービス」を行うといったアプローチです。単なる割引だけではなく、こうした高度な戦略につなげることがO2O導入後の次の一手となります。