ビジネスモデル

ノンフリル

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ノンフリルとは、余分なサービスを可能な限り省きながら、コアとなるとなるサービスの質を下げることはなく、省いた分だけ低下価格で利用者に提供するビジネスモデルです。
必要最小限のサービスに絞り込むことで無駄を嫌う顧客層を取り込みます。
ノンフリルとは「装飾がない」という意味で、サービスの省き方は企業によって様々です。

多くの企業でみられるのは旅客機会社の場合、一人でも多くの利用客を乗せるために快適さを犠牲にしています。
今現在ノンフリルをビジネスモデルとしたサービスは旅客機業界でなく、ビジネスホテルやフィットネスクラブ、利用美容室など、多様な業界に広がりを見せています。

ノンフリルとは、コスト削減のために、フリル=飾り気をなくすことです。

 

ノンフリルのメリット

とにかく安い

現在の一般的なサービスは利用者にとって必要性の低い機能でその分の利益を上げている場合があり、その不必要な機能はなくていいからとにかくその分安く利用したいというニーズを持つ顧客層を多くいます。
LCCがここまで著しい成長を遂げることが出来たのは、短い時間のフライトでそこまでのサービスは必要なく、ただ目的地まで行けたらいい、という利用者が多いためです。
勿論、短時間であっても既存のサービスを受けたい人はレガシー・キャリアを利用するでしょう。

 

ノンフリルのデメリット

コアとなるサービス以外の顧客満足度は低くなる。

ノンフリルというビジネスモデルは基本的にコアとなるサービス・機能以外の不必要だと考えられるサービス・機能は簡素化、あるいは省略してしまうため、価格以外のサービスの満足度は低くなる傾向があります。しかし顧客満足度という概念をどのように考えるか、例えば価格を満足してもらえばそれでいいのがノンフリルというビジネスモデルです。そこから自社で行っているいくつかのサービス・機能をコアか不必要化に振り分ける線引きが重要になってきます。たとえばコアになりえる要素を簡素化・省略してしまえば顧客満足度は下がり次回から利用してもらえるかが分からなくなります。

 

ノンフリルの成功例

LCC

ノンフリルというビジネスモデルの代表例はやはりLLC(ローコストキャリア)でしょう。
LLCは企業名ではなく、元祖である1967年創業のアメリカの航空会社サウスウエスト航空やアイルランドのライアンエアー社、オーストラリアのジェットスターや社、マレーシアのエア・アジア社などの価格の安い航空会社を総じていうものです。
多くの会社でみられるのは座席の幅を従来よりも狭くすることや食事や飲み物の提供、機内のミュージックや映画視聴などのエンターテイメント性の有料化があります。また、手荷物預かりも有料の場合があります。さらに発着料の高価な都心部でなく、交通面で不便な郊外の空港を発着地としている航空会社もあります。
近年では日本でもジェットスターなどのLLCが登場し、国内なら破格の数千円、海外でも1~2万円で旅行へ行くことができるようになりました。
元祖であるサウスウエスト創業者ハーバート・ケレハー氏らが高額だった渡航費用を少しでも安くして多くの人に利用するために必要性の低いサービスノンフリルを考案しました。またサウスウエストでは座席幅はとくに狭くはありませんが、全席自由席で座席指定はできません。
さらにサウスウエストではコアのサービスである飛行の質を保つためにパイロットやCAの人件費は絶対に削らず、機体をボーイング737に統一することでパイロットや整備士の効率を上げています。

 

イケア(IKEA)

IKEAは世界28各国に展開する世界一のインテリア企業です。企業側が担う配送や組み立て作業を消費者が肩代わりする形で行います。イケアはDIYを好む人から人気が高く、郊外にある倉庫のような店舗から商品を購入、自宅に持ち帰りし自分で組み立てます。
シンプルながらおしゃれなデザインも多く、価格も手ごろなので利用者の自由に作りこみたいというニーズにこたえています。
コスト削減の追及は業界一であり、ノンフリルのビジネスモデルの根幹をなしています。
DIYを好む利用者が最終的な組み立てを行うため自社で材料を作るも組み立てを行うことを省略しており、輸送時の梱包から店舗での陳列までの作業を簡素化しています。
イケアが実施しているのは商品企画や市場調査のみに限られており、部品の生産は発展途上国にあるパートナー企業です。
商品は標準化された箱に梱包されそうこのような店舗に陳列されるため、店舗に配置する人員は最小限で可能です。
そして何度も述べているように配送や組み立ては利用者が行うためイケアの負担するコストはありません。
業務を最小限で行っているものの利用者が多い理由は素晴らしいユーザー体験と言われております。
倉庫のような店舗にはフードコートが設置されており一種のテーマパークのように機能しており、イケアが力をいれているカタログは質が高く、見る人の想像力を掻き立て、アプリケーションで乱雑な多くの箱から一瞬で求めているインテリアを見つけることができるためストレスもありません。
イケアで買い物をする際には、気に入った商品を見つけたら番号をメモし倉庫へ→倉庫で自分の家具を探す→家具をカートに入れレジへ→会計を終えたら自分で家具持ち帰る→自宅で自分の手で家具を組み立てる”というフローになります。この仕組みによりイケアは「配送費」「組み立て」を削減。商品の低価格での販売につなげることに成功しています。
さらに環境へ配慮したリサイクル素材の活用にも力を入れコスト削減を行っています。
しかしイケアが行ってきたノンフリルは、最近始めたオンラインショップの、自宅に配送しないという戦略と矛盾しており、実際には売上30%増という結果を残していますが、今後の動向に注目です。

 

QBハウス

QBハウスはシャンプーや髭剃り、ブローや予約を省略して、スピーディかつ質の高いカット技術に力を入れて顧客層をしぼり、その顧客層から絶大な支持を得ています。
高い質をもつカット技術を提供するためにQBハウスでは理美容師スタッフが技術を学べる研修制度も設けています。
QBハウスは創業者の小西國義氏が「散発の時間をもっと短くしたい」との考えから設立され、一般的な理美容室では“「カット」「シャンプー」「マッサージ」「ブロー」「セット」が一連のサービスとして行われる中、QBハウスは「カット」のみを行い、それ以外のサービスをすべて省きました。また、QBハウスは事前の予約や理美容師の指名もなくし、レジ作業の効率化を図っています。このような取り組みにより顧客から支持を受け、1号店オープンの1996年から20年足らずで、国内に500店舗以上を展開しています。

 

スーパーホテル

ビジネスホテルは総じてチェックアウトの手間や電話を省略して、コアとなる質の高い寝具に力をかけて料金を下げています。
とりわけスーパーホテルは「ノーキー・ノーチェックアウト・システム」を実施しており、このシステムは、まず宿泊者はチェックインの際に部屋番号と暗証番号がプリントされた領収書を受け取ります。そして宿泊者はそこに記載されている暗証番号を部屋の扉に設置されているボタンに押すと鍵が開きます。これにより同社はチェックアウト時の顧客対応や、部屋に電話を設置しないことで問い合わせによるスタッフ対応の手間を省略しています。このように、スーパーホテルは宿泊者の安眠に注力し他のサービスを省くことで顧客からの支持を得ており、同社の宿泊代は、平均7000円程度のビジネスホテル業界で、一泊・朝食付き約4980円という破格の料金設定を実現させています。カプセルホテルなどはこれらをさらに簡素化させ、最低限の眠れる場所だけを追求したビジネスモデルと言えるでしょう。

 

カーブス

カーブスはアメリカで1992年に設立されたフィットネスクラブです。。創業者は実母を生活習慣病で早く亡くし、治療だけでなく、予防の重要性に目をつけ、一般的なフィットネスクラブを立ち上げましたがこれがうまくいかず、1992年に女性に特化したカーブスを設立することになります。
カーブスは「3つのM」ー「No Men(男性客なし)」「No Make-up(化粧する必要なし)」「No Mirror(鏡なし)」をコンセプトにした画期的なフィットネスジムと呼ばれており、「No Men」に関しては、男性の目を気にせずに運動でき、スタッフも全員女性である点、「No Make-up」はメイクする手間が要らず、手軽に通えるという意味と、化粧が落ちるほどの汗はかかないという2つの点、最後に「No Mirror」はジムに鏡を設置しないため自分の体型を気にする必要がないという点です。
カーブスのノンフリルモデルですが、カーブスでは他のフィットネスクラブにはあるはずのプールやシャワー、鏡を撤去してフィットネスマシーンに力をかけています。
ちなみにカーブスはフランチャイズモデルでも収益をあげています。

 

ノンフリル成功のカギ

コアとなるサービスの質は絶対下げないということがノンフリル成功のカギです。
たかが必要最低限、されど必要最低限ともいえるでしょう。
コアとなるサービスの質を高める工夫があるかどうかが、長く支持をえられるかどうかのカギとなります。

 

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