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ビジネスモデル

チェリーピッキング

チェリーピッキングとは、航空会社や運輸、通信、電力サービスのように、広い範囲を網羅する既存企業のビジネスに対して、特定の需要のみに集中して事業を行うビジネスモデルです。このモデルの名前は「収穫したサクランボの山から、熟したものだけを選別すること」から由来しており、ある決まった市場や顧客だけを対象にしたビジネスモデルであることを意味します。
チェリーピッキングの主な特徴は以下の通りです。

  • 既存ビジネスが持つ顧客基盤の中から特定の層をターゲットにすることで、事業の立ち上げや宣伝などの投資コストをかけずに一定の収益を獲得する
  • 既存事業者が築いたインフラやシステムの一部を使用してビジネスを行う場合、相手の市場を縮小させずに収益を拡大する点に難しさがある

なお、このビジネスモデルでは特定の顧客のみをターゲットとするため市場は既存企業よりも小さくなります。そのため徹底的な経費削減を行って利益率を上げる必要があります。
チェリーピッキングでは「すでに顧客基盤のある事業」に参入するため、ビジネスとしての妥当性があります。効率的にコスト削減を行い、低価格を実現できるオペレーションが可能であれば、大きな競合が存在していたとしても、価格の魅力で顧客が自社を選択する見込みがあります。

 

 

チェリーピッキングが有名になった理由

このビジネスモデルを有名にしたのはアメリカのサウスウエスト航空がはじめた国内の格安路線運航です。アメリカでは1930年代から「ビッグフォー」と呼ばれるユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空、イースタン航空が全米を覆う「ハブ&スポーク」のシステムを作り上げていました、後発であるサウスウエスト航空は、テキサス州のサンアントニオ・ヒューストン・ダラス間のみを結ぶ路線に集中し、1日18往復、運賃は大手他社の半額という条件で1971年に算入し、安く移動したいという顧客層に支持されて成長を遂げました。
サウスウエスト航空は次のような施策を実施してコストを削減し収益率の向上を行いました。

  • 航空券予約は電話かネットのみ
  • 空港でのチェックインは行わない
  • 搭乗スタッフが複数業務を兼ねるなど

 

 

チェリーピッキングのメリット

収益性の高い顧客を選択できる

チェリーピッキングでは、参入する市場によって収益性の高い顧客をターゲットとしたビジネスを選択できるというメリットがあります。例えば、健康保険会社は健康な人のみに保険を販売しながら、不健康な人や不健康になりそうな人を顧客として除外するチェリーピッキングを行うことで、収益性の高い顧客を選択することができます。 また、もしも自動車保険会社がチェリーピッキングにより優良運転者のみに保険を販売する場合、すべての運転手に保険を販売している企業よりも収益上優位に立てるといったメリットもあります。

 

 

チェリーピッキングのデメリット

競合企業が価格を下げた場合、優位性を失う

チェリーピッキングの特徴は、事業範囲と顧客層を限定してコストを下げ、低価格で顧客にサービスを提供できることにありますが、既存企業が同じように価格を下げた場合、競争優位性を失うリスクがあります。

また、協力している既存企業の市場との関係性を良好に保てなくなるとビジネスそのものが消滅する可能性もあります。2019年に楽天モバイルは、MVNOと並行して自社で通信回線を保有する計画を発表しました。これに対しNTTドコモは、楽天が格安携帯電話事業を続けることに対して遺憾を表明しました。

 

 

チェリーピッキングの成功条件

市場全体を網羅するインフラとサービスが整っていること

チェリーピッキングを行うには、自社が事業参入する前に、先行する大企業によって、市場を網羅するインフラとサービスがすでに整っている必要があります。市場が整っていないと新たなビジネスとして成長できなかったり、そもそもビジネスとして成立しないという可能性があります。
 

 

一定の需要があること

チェリーピッキングを成功させるためには、平均的な規格では満たせない需要を持つ顧客グループが存在し、一定の市場を見込めるニーズがあることが重要となります。そのためニッチな市場ではなく、あえて既存の大きな市場の中に小さな市場を見つける必要があります。
 

 

既存企業との共存が可能であること

チェリーピッキングを成功させるためには、既存企業の市場を毀損せずにビジネスを持続させる範囲と収益性を見極める必要があります。もし既存企業との関係が悪化した場合、規模の経済などで優位性を奪われたりするリスクや倫理的な側面でユーザーの反感を買うリスクもあります。
 

 

 

チェリーピッキングの例

楽天モバイル

楽天が日本国内で2014年に始めたサービスが、格安携帯電話サービスの「楽天モバイル」です。楽天モバイルはNTTドコモやauの回線を借り受けて格安SIMを顧客に販売し、通信を顧客に提供するMVNO(Mobile Virtual Network Operator)です。データ通信に制限のない最も基本的な月額基本料は2980円であり、楽天会員ならばこの価格からさらに割引されて1480円になります。NTTドコモのデータ無制限基本料金が月額3980年、auが5980円なので、同じ回線を使用しながら大きな差があることが分かります。(価格は2020年8月時点)
自社で通信回線を保有する企業は、基地局の整備・保守や店舗運営などの大きな投資と維持費が必要となりますが、MVNOでは必要な通信システム整備と顧客サポートのみで事業を行うことが出来るため、価格を低価格に抑えることが可能です。
MVNOは、大手通信企業と比べると「通話料金が高い」「通信が込み合う時間帯は通信速度が遅い」などのデメリットもありますが、月額基本料金の安さに魅力を感じる顧客は一定数存在します。楽天モバイルはこの顧客層に特化していることが特徴で、サービス開始以来、右肩上がりの成長を続け、2020年時点で2200万人以上の利用者が存在しています。

 

 

丸和運輸

ECの急速な成長を背景に、2000年代にニーズが急増した業種が輸送業界です。日本国内でのAmazonの利用者は2019年の上半期で4,771万人に達しました。その様な中で、事業対象を一部の地域に特化することで急成長した日本企業が丸和運輸です。
丸和運輸は東京都心部限定で、Amazonと当日配達便配送のパートナーシップを結んでいます。
Amazonが丸和運輸と提携するに至った背景には、佐川急便の撤退や、ヤマト運輸の配送料の値上げなどが理由として挙げられます。近年、1回のショッピングでの販売単価が減り、一方で配送量が増えていることがAmazonの提供価値の一つである「安価でスピーディな配送」を持続する上で大きな障害となっています。
丸和運輸は提携にあたって個人事業主のドライバーを組織して、軽貨物車1万台を用意すると発表しました。これにより、社員ドライバーの人件費を削減することができます。
また、配送地域を「東京都心部」という、一定規模のニーズがある狭い範囲に限定することで、大手物流企業が保有している巨大なロジスティックセンターや大型トラックといった大規模な初期投資や固定費も大幅に削減しています。事業範囲が小さくても、経費削減で利益を獲得する典型的なチェリーピッキングモデルと言えます。
 

 

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